利用者減少のバイク通行料金割引とは?
2024年春から、「バイク定率割引」が開始されます。
それに先立ってその内容が明らかになっており、賛否両論が飛び交っている状況でもあります。
このバイク定率割引はまったく新しい制度というわけではなく、これまでもバイクが高速道路を走行した際に適用されていました。
2022年に始まった制度で、条件を満たして割引が適用されれば自動車(普通車)の半額で高速道路を使用することが可能です。
今回の新たな割引制度では従来の内容よりも条件を緩和し、バイクのライダーが利用しやすいよう配慮されていると言われています。
とくに大きな変更点となったのが、割引対象となる走行距離を従来の100kmから80kmと、20kmほど短縮・緩和したことです。
これによって、より短い距離での利用でも割引が適用されやすくなったのです。
もともとこのバイク通行料金割引では日帰りの利用を前提としていたのですが、日帰りで100km以上の利用となるとなかなか条件を満たすのは難しいものです。
一般的な日帰りツーリングでも片道で100km~200km程度と言われていますから、半日~1日バイクに高速道路を移動するようなツーリングでもない限り条件を満たすのが難しかったのです。
今回の変更によって距離の条件が緩和され、より使いやすくなったわけです。
さらに、日帰りだけでなく2日続けてこの制度を利用する場合にまとめて申し込むことができるようになりました。
この申込みの簡略化も、今回の変更のかなり大きなポイントといえるでしょう。
こうした変更が行われた背景には、せっかく割引制度が導入されたにもかかわらず利用者は2022年の導入以来増えるどころか減少しており、その使い勝手の悪さが各方面から批判を集めていたことがあります。
バイク通行料金割引制度の問題点
では、この制度にはどんな問題点があるのでしょうか。
今回変更となった走行距離の条件とともに、指摘されているのが普通車の休日割引との比較です。
この休日割引が適用された場合、普通車との料金の違いはわずか7.5%にしかならず、「普通車の半額で利用できる!」というメリットがじつは形だけになってしまっている面があるのです。
このバイク通行料金割引制度そのものが土日限定のため、実質的には半額にはなっていないわけです。
この問題点に関しては政治家からも解消の要望がすでに出されており、いかに評判が悪いかをうかがわせています。
条件を満たすのが難しく、手続きが面倒なうえにメリットが少ない、というかなり問題だらけの制度となっており、バイク好きの間からは「そもそもこの制度を使わせる気がないんじゃないか」という厳しい意見さえも上がっていました。
今回の変更で多少は改善されたものの、実際のところどれだけ利用者の減少に歯止めをかけることができるか、注目して状況を見守っていく必要がありそうです。